今年から消費者にかかわる法律が変わります

契約のルールが大きく変わることになった。インターネット取引の普及といった社会の変化に対応しつつ、判例などで定着したルールを条文に明記し、国民に分かりやすい法律にするのが狙いだ。 (滝口亜希)

同意ボタンで成立

改正の柱の一つが、約款に関するルールの新設だ。

「お試し価格500円の健康食品を注文したら定期購入になっていた」。国民生活センターにはネット取引をめぐる相談が多数寄せられている。商品を購入する際などに表示される取引条件が約款だが、小さな文字で書かれていて「注文時に気付かなかった」という声も少なくない。

これまでの民法には約款に関する規定がなかった。改正法では、ネット取引の「同意する」ボタンを押すなどして消費者が合意した場合や、契約内容として事前に約款が示されていた場合には、消費者が内容を理解していなくても約款が有効であると明確化する。

ただし、消費者に一方的に不利な契約内容は無効となることも明記し、消費者保護にも配慮した形だ。

ツケの「時効」延長

未払い金や滞納金が請求できる期間を定めた消滅時効は業種ごとにばらばらだったが、統一される。

たとえば、スナック経営者が客にツケの支払いを求めるケース。現行法は飲食費の消滅時効を1年と定めているため、それを過ぎると、経営者が支払いを求める権利は消滅してしまう。

消滅時効は、飲食費は1年▽電気料金は2年▽病院の診療費は3年-と、業種ごとに設定され、「どの時効が適用されるか分かりにくい」との指摘があった。

改正法では、原則として「請求できると知ったときから5年」とし、知らない場合も「権利を行使することができるときから10年」とする。改正で、スナック経営者は支払いを請求できる期間が延びることになる。

敷金は原則返還に

部屋を借りた際の敷金の返還についてもルールが明確化される。国民生活センターによると、敷金や退去時の原状回復費用などをめぐり各地の消費生活センターに寄せられた相談件数はここ数年、1万3千~1万4千件台で推移している。

改正法は賃貸借の終了時に家主は敷金から未払い賃料などを差し引いた額を返還しなければならない、と明記。借り主は原状回復義務を負うが、通常の生活で生じた傷や経年劣化については修繕費を負担する義務はない、としている。

改正項目は約200に及ぶ。全国消費生活相談員協会の増田悦子専務理事は約款について「高齢者のネット利用が増えていることもあり、事業者側は約款を大きい文字で分かりやすく表示すべきだ。消費者もより注意を払う必要がある」と指摘。消滅時効については「時効が長くなるケースもあり、不正請求などに遭わないために領収書を保管しておくと良い」としている。

インサイトCATANA

法律の改正は現代社会の現状を踏まえた上での変更になります。インターネット契約のルールはインターネットでの消費者とWEBサイトとのトラブルが多発していることから法改正が必要になったものと考えられます。最近は定期購入の前にお試し期間と銘打って数週間から数ヶ月ほどで勝手に本契約がはじまるケースがあり、知らないでお金を支払っていたという人も多いのではないかと思います。それに対して問題視する声が多かったことで今回の法改正にいたったものと思われます。

ツケの時効延長もインターネット上の商取引で最近、つけ払いサービスというものができたことなどが影響している可能性があります。10代の若者が商品をつけで購入できるZOZOTOWNの新サービスですが、つけが支払えない人が続出して、企業業績への影響も懸念されています。

敷金の基本返金は当たり前の制度です。海外では礼金なし、敷金はデポジットという形で多少の現状回復費用はオーナー持ちで返金されるのが当たり前ですが、日本では敷金から原状回復やクリーニングといった費用が差し引かれ返金されるので全額返ってこないケースがありましたが、国際比較的に考えるとおかしな制度でした。世界水準に合わた格好となったわけです。

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